全日本バレーボール高校選手権大会が来年1月5日、東京体育館で開幕する。

 福島沿岸北部に学校のある男子の相馬(福島)が、特別な思いで5年連続17度目の全国に臨む。吉田康宏監督(41)は「背負っているものを力に変えたい」と自然体で話す。3・11。リベロ浜名亮は最愛の弟と祖母を津波で失った。対角レフトの佐藤郁也(ともに3年)と雄河(2年)兄弟の自宅は流失。9カ月が経過した今も、福島原発事故の影響が色濃く残る。佐々木章仁主将(3年)は「全国から支援されました。感謝の気持ちが一番」とチームの気持ちを代弁する。

 粘り強く拾ってつなぐ。さらに、アタッカー全員がほかのポジションをカバーし合う“絆のバレー”で上位を目指す。先発4人が昨年からのレギュラー。ユース日本代表候補の左利きライト後藤滉貴(2年)がミドルブロッカーの役割もこなすなど、オールラウンド・プレーヤーがそろった。練習では得られない大切なものを数多く学んだ。選手たちは揺るぎない気持ちで、最後まで諦めない姿勢を貫く。【佐々木雄高】