全日本高校バレーボール選手権(通称・春高バレー、埼玉・さいたまスーパーアリーナほか)が1月5日に開幕する。沿岸部に学校のある男子の相馬(福島)が、今年も被災地の思いを背負って全国に挑む。昨年度1回戦は習志野(千葉)に逆転勝ち。2大会ぶりの全国勝利を挙げ、地元を勇気づけるとともに、元気をアピールした。津波で自宅を流され、いまだに仮設住宅で生活するレフト佐藤雄河主将(3年)は「震災を言い訳にはしない。頑張っている姿を見せたい」と力を込める。

 1年時からレギュラーのライト後藤滉貴とセンター小原祥(ともに3年)を含め、昨年度からの先発3人が残る。昨夏から東北高校選手権を連覇するなど、状況に応じてポジションを変化させるマジカルバレーは健在だ。左利きの後藤は日本ユース代表(18人)で、ジャンプサーブやバックアタックを含めて縦横無尽の攻撃を見せる。夏の全国総体は1-2で東山(京都)に逆転負け。後藤は「勝負は負けたら面白くない。強気でいきたい」と初戦の岡山東戦に臨む。【佐々木雄高】