さいたまスーパーアリーナで5日に開幕する全日本バレーボール高校選手権(春の高校バレー)に、女子の静岡県代表として島田商が出場する。2年連続5回目出場となり、初戦では国学院栃木(栃木)と対戦する。今年は1年生の大型センター加入で伝統の堅守に高さが加わり、全国に挑む準備は整った。まずは1勝し、5連覇を狙う女王・東九州龍谷(略称・東龍=大分)との対戦を目指す。

 昨年は全国の高さとパワーに持ち味の堅守があっさり破られた。しかし、今年は1年生センターの加入で高さと攻撃力がアップ。夏の全国高校総体では予選グループで北陸(福井)にストレート勝ちし決勝トーナメントに進出した。

 相手エースを迎え撃つのは、身長173センチの磯部光里(1年)だ。中央とライトを自在に動き、中央ブロックのほかライトに移動し相手レフトエースのブロックにも付く。攻撃も中央速攻はもちろん、ライトからも強烈なクロスを打ち込む。まさに、センターとライトの一人二役。最高到達点はチームで最も高い280センチで、県大会決勝の富士見戦では、チーム最多の7本のブロックを決めた。

 初戦の国学院栃木は、島田商より平均身長が約5センチ高い。全国高校総体を経験した磯部は「全国は自分より高い選手ばかり。インターハイではブロックもはじき飛ばされてキレイに止まらなかった」と振り返る。「ライトに回ってのブロックで抜かれたら自分がいる意味がない。必ずレシーバーを助けるブロックをしないと。スパイクは、練習を積んだライトからの攻撃が全国でも通用するかもしれないと思ってます」と意欲を見せる。

 小学校までは身長160センチだったが、中学に入って急激に身長が伸びた。小学校から、練習では走るメニューを自ら課していた努力家だ。「何をやって背が伸びたか分からないけど、すごくたくさん食べていた。お昼ご飯はおにぎり4個食べてました」。目標は初戦に勝利し、女王の東龍と対戦すること。国体で東龍の高速バレーを目の当たりにし対戦したい気持ちがわいた。「速くて低いトスにどこまで自分がブロックに付けるか試してみたい」。1、2年生が多い島田商にとって、女王との対戦は必ず来年の糧になるはずだ。【岩田千代巳】