最後まで仲間は「アモーレ」だった。山形商が2冠女王の桜花学園(愛知)に敗れた。前半は走るバスケで食らいついたが、後半になると相手の強固な守備にボールを回せない。パスコースを消す守りや、高さを生かされてリバウンドを奪えずに点差が開いていった。

 今大会限りで退任する高橋仁コーチ(59)は「後半に向こうが本気になりましたね。ボールが回らなくなった。目の色が違っていたし、ウチのバスケをやらせてもらえなかった」と振り返った。

 この試合では選手が腕にメッセージを書いて登場。前十字靱帯(じんたい)を負傷した背番号10の石垣加代(3年)が書き込んだ。励ましの言葉に加えて、特に多かったのは「アモーレ」。佐藤美羽主将(3年)は「思いを込めて書いてもらった。思いを背負ってコートに立った」と言葉が力になったと話した。

 佐藤は3年間を振り返り「みんな個性が強く、1人1人の意見がぶつかってケンカをしたけど、最後はその葛藤があったからいいチームになった。このチームのキャプテンで良かった」と笑った。佐藤はU-18日本代表に選出された期待の選手で、山形大への進学を予定。「(日本代表の)吉田亜沙美選手が憧れで、ずっとプレーを見てきた。高校で少しは近づけたかなと思うので、次のステップでもっと近づいていきたい。追っていきたい」と将来の代表入りへ、成長したいと話した。