ハンドボール日本代表史上最巨漢の玉川裕康(22=国士舘大)が、伝統の日韓戦(29日、東京・駒沢体育館)での活躍を誓った。日本協会は25日、ヤマト運輸とのスポンサー契約発表と同時に日韓戦に臨む男女の日本代表を発表。玉川は男子初の高校生代表、部井久アダム勇樹(18=福岡・博多高)やベテラン宮崎大輔(36=大崎電気)らとともに18人のメンバー入りを果たした。

 今年1月のフランス世界選手権で代表デビューした玉川は「韓国とやるのは初めてだし、楽しみです」と話した。197センチはチーム最長身。日本代表の歴史の中でも岩本真典(現大崎電気監督)の198センチに次ぐ大型選手だ。112キロは、文句なく過去最重量。恵まれた体格が、最大の武器にもなっている。

 小学校時代は剣道をしていたが、中学から「チームスポーツがしたい」とハンドボールに転向。すぐに頭角を表し、埼玉・浦和学院高-国士舘大と年代別日本代表でも活躍した。「世界選手権を経験して、まだまだ体が強くない。もっと体を作らないといけないと思いました」。ダグル・シグルドソン新監督のもとで筋力アップ。「トレーニングの成果で2キロ増えました」と話した。

 イラン人の父と日本人の母を持つが「日本生まれの日本育ち。イランには試合でしか行ったことがないんです」。フランス人の父を持ち、フランス1部リーグで活躍する土居杏利(27)や、父がパキスタン人の高校生代表、部井久アダム勇樹(18)と同じハーフ。陸上やラグビーなどでもハーフアスリートが活躍しているが「あまり意識したことはないですね」と話す。

 今月上旬に岩手で行われたU-22東アジア選手権では大活躍。チームを初優勝に導き、ベスト7にも選ばれた。次はフル代表。満員のファンで埋まる駒沢体育館で「お客さんが喜んでくれるような、いい試合をしたい」と、初めて経験する日韓戦に向けて話した。