東地区5位のレバンガ北海道は63-78で同4位のサンロッカーズ渋谷に敗れ、2連勝はならなかった。折茂武彦選手兼社長(47)は23分19秒出場、残り2分としていた国内リーグ戦通算出場時間2万分を達成。2試合連続の12点を挙げるなど攻守に奮闘したが、及ばなかった。

 第1クオーター(Q)残り3分21秒。左サイドからの伊藤大司(31)のパスを右45度の位置で受けるとすぐ、折茂が3点シュートのモーションに入った。指先を離れたボールが、測ったかのようにリングをとらえる。この時が2万分とほぼ同時。「長くやればできる記録より、勝つための得点」。信条通りのシュートが、鮮やかに決まった。

 大卒後に所属したトヨタ自動車(現A東京)時代はやんちゃだった。ハーフタイムのシュート練習中、しつこいヤジに腹を立て、ボールを思い切り客席に投げ込んだ。「当時は客席もまばら。当たったかどうかも分からない」と振り返る。テレビ中継中に、中指を立てて相手ファンを挑発したこともあった。「それでも処分は全くないし、話題にもならない。そういう日本のバスケを変えたかった」。反骨心が、2万分への原動力となった。

 前節までのホーム平均観客動員は、リーグ2位の3716人を記録。増え続けるファンの期待が何かは分かっている。「自分の役割である得点に関しては2試合通してできたが、(2戦目で)勝利に貢献できなかったのは残念」。東地区との10連戦を締めくくる次節アウェー川崎戦(16、17日)は、チームを2連勝に導く。