2月22日、フェラーリは2018年のF1世界選手権を戦うマシン「SF71H」を発表した。車名はスクーデリア・フェラーリの頭文字に創業71年目を意味する数字、そしてハイブリッドのHを組み合わせたもの。

 昨年はマシン性能を大幅に進歩させ、2012年以来となるタイトル争いに加わることに成功した。今季は同じ設計コンセプトを踏襲しながらマシンの各部をさらに進化させ、2008年を最後に遠ざかっている王座の奪還を目指す。

 今年多くのチームが模倣してきた車体側部サイドポッドの開口部処理は昨年フェラーリが先鞭(せんべん)を付けたものだが、本家フェラーリはさらに独自の進化を遂げ、極めて小さな開口部で空気抵抗を減らすと同時に整流フィンの装備でマシン後方に向けた気流制御にも配慮している。これを実現するために、カウル内部のパワーユニット用冷却システムを見直したという。

 4度の王者であり2013年以来のドライバーズタイトル獲得を目指すセバスチャン・フェテルは次のように語った。

 「去年の早い段階から開発が始まり、チームのみんなが多大な努力を注いできたマシンだ。彼らからマシンの詳細を聞くたびに驚きの連続だった。去年型から大きな進歩を遂げているんだ。その肝は目に見えないカウルの下に隠されている。こうして実際にマシンを目にすると早く乗り込んでコースに出て行きたくなるね。マシンの感触を確かめるのが待ちきれないよ」

 本拠地イタリアのマラネロで発表されたマシンはバルセロナへと運び込まれ、テスト前日の25日にシェイクダウンを行う予定。11年ぶりの悲願達成に向け、フェラーリはアグレッシブなスタートを切ったようだ。(米家峰起通信員)