東地区6位のレバンガ北海道が、一夜で借金生活から抜け出した。前日4点差で惜敗した同地区首位のアルバルク東京を87-81で下し、通算成績を23勝23敗の五分に戻した。来日8試合目のディジョン・トンプソン(35)が、出場約20分で12得点7リバウンドと元NBAの実力を発揮。マーク・トラソリーニ(27)ダニエル・ミラー(26)もそろって2ケタ得点を挙げ、難敵に快勝した。28日ホームSR渋谷戦を勝てば地区5位に浮上する。

 レバンガ北海道は、トンプソンがチームの勢いを加速させた。5点リードで始まった第2クオーター開始6秒。右45度の位置でゆったりと左手でドリブルすると、突然シュートモーションに入った。目の前に立つ相手DFの意表を突くシュートを決めると、43秒後にも中央から2点。「いい気分だ」。合流からわずか8試合目の男が、気持ちよさそうに言い放った。

 試合を決めたのも、トンプソンだった。3点リードの残り20秒。2回連続で故意のファウルを受けて相手をにらみつけた後、何事もなかったかのようにフリースロー2本を決め、5点差にした。終盤はNBA時代に経験したポイントガードのように、チームにフォーメーションを指示する場面もあった。「昨日は負けてはいけない試合で負けたからね。今日は負けられなかった」。チームの置かれる立場も理解し、的確なジャッジで勝利を呼び込んだ。

 両ひざの痛みを抱えるエースのトラソリーニが、トンプソンとの鮮やかなコンビプレーなどで22点と奮闘すれば、ミラーも5試合連続2ケタの11点と存在感を発揮。全員が7割以上の高い確率でシュートを決めて首位をたたき、勝率は5割に戻った。水野宏太監督(35)は「チャンピオンシップ(CS)出場の目標をかなえたい」と、残る14試合での逆転を誓った。

 この日はワイルドカード2位の栃木が敗れ、2ゲーム差まで接近。勝利の価値がいっそう高まった。「レベルの高いリーグというのは分かったが、どのチームにも勝つチャンスがあるというのも分かった」とトンプソン。28日のホームSR渋谷戦に勝てば、また1歩、目標に近づく。