2020年東京オリンピック・パラリンピック組織員会は5日、都内で日本ユニセフ協会とUNICEF(国連児童基金)の協力を得て実施する、大会期間中の「オリンピック休戦」を広く一般に周知するプログラム「ピース・オリヅル」のキックオフミーティングを開催した。

 「オリンピック休戦」は古代オリンピックで大会期間中に実施され、ほぼ実行された。近代五輪では94年リレハンメル冬季五輪から2年に1度、五輪開催前年の国連総会で大会期間中の休戦決議が採択されているが、一般にはあまり知られていない。「ピース・オリヅル」は、日本の平和の象徴である「折り鶴」をつくり、その写真や動画をSNSを通じて拡散することで、オリンピック休戦の周知を目指す。

 キックオフミーティングに参加した96年アトランタ五輪の競泳日本代表選手で、現在はユニセフのギリシャ難民・移民対応チーム教育専門官を務める井本直歩子さんは「できるだけ多くの地域に働きかけていきたい。日本の子供たちには海外で起きていることに目を向けるきっかけにしてほしい」と話した。

 期間は国連が定める「平和と開発のためのスポーツ国際デー」にあたる4月6日から20年東京大会終了まで。組織委員会国際局の杉尾透氏は「学校や職場、サークルなど広く募集したい。ゆくゆくは折り鶴そのものを集めて、選手村などに飾りたい。まずは日本を中心にムーブメントを起こしたい」と、幅広い参加を呼び掛けた。【首藤正徳】