東地区1位の秋田ノーザンハピネッツは85-81でワイルドカードの熊本ヴォルターズ(西地区2位)に逆転勝ちし、B1復帰に王手をかけた。ホームの声援を味方に、14点ビハインドの後半から反撃を開始。田口成浩主将(28)が今季自己最多の30得点を挙げるなど、チームリーダーの役割を果たした。

 2戦先取のB1切符争奪戦で、秋田がレギュラーシーズン1位の貫禄を示した。最大15点差ついたビハインドを、第4Qでひっくり返した。勝利のブザーが響くと、選手とブースター一体となり喜びを爆発。MVPに輝いた田口主将は興奮の口調で「みなさんの声援のおかげ。(相手に)プレッシャーを与えてくれた。明日も勝って一緒にB1に行きましょう」と会場を沸かせた。

 苦戦を強いられた。前半のチームのシュート成功率は27・3%と低迷。田口もわずか5得点に止まった。ふがいない試合運びにハーフタイムにはペップHC(49)から「負けてもいいよ」と皮肉まじりのゲキ。これに選手が発奮し、後半の反撃につなげた。第3Q開始20秒、今季リーグ・スティール王の中山拓哉(23)のスティールを皮切りに5連続得点。第4Q4分過ぎに70-70と追いつき、同8分に田口主将が逆転のシュートを決め、残り約30秒から小野寺翔太(22)の3点シュートで突き放した。

 ホームの声援も力になった。入場者3247人がホームをピンク一色に染めた。相手フリースロー(FT)には激しいブーイング。前半13本中10本成功の相手フリースローは、後半18本中12本に減った。今季リーグ・ベストFT成功率賞に輝く田口主将は「縦に揺れる地鳴りのようで、打つ方は嫌だったはず」とブースターの後押しに感謝した。

 ペップHCは「みなさんの声援はしびれます。追撃や勝っている時だけでなく、シュートを外した時こそ声援してほしい」と、昇格へのひと押しを期待した。【佐々木雄高】