トロロッソ・ホンダは12番グリッドからスタートしたピエール・ガスリーが1周目の事故に巻き込まれてリタイア、最後尾スタートのブレンドン・ハートリーは12位でフィニッシュしたがポイント獲得はならなかった。
決勝直のスターティンググリッドに向かう3周の走行では今季一番の好感触だったというガスリーは、目の前でスピンしたロマン・グロージャンの巻き上げたタイヤスモークに視界を遮られてそこに突っ込んでしまったことを残念がった。
「クルマは(4位入賞を果たした)バーレーンGPの時よりもフィーリングが良かっただけに残念だよ。彼は完全にマシンがスライドしていたし、あんなに白煙を上げていたら何も見えないよ。ぶつかる直前に彼がそこに止まっているのが見えて、僕にはもうどこにも行き場はなかったんだ。だからぶつかる瞬間はステアリングから手を離そうとしたけど、本当に大きな衝撃だったよ」
ハートリーは予選直前のフリー走行でクラッシュし、最後尾からのスタート。こちらもマシンのフィーリングは良かったと言うが、コーナー立ち上がりからのストレートスピードが不足し、自分よりも遅い前走車を抜けずに抑え込まれたことで12位に終わった。
「マシンのフィーリングが良かったしペースも悪くなかったから、最後にエリクソンをあと5、6周早く抜くことができていればその前のストロールも捕まえることができたと思う。でも10位のルクレールはかなり離れていたし、ポイント圏内にはあと2つ足りなかったね。ザウバーやウイリアムズ、ハースなど周りのライバルと比べるとトップスピードが足りなかったね。その不利が大きかった」
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、オーバーテイクが難しかったことについて出力面で「4メーカーの中で一番下であり、メルセデスAMGやフェラーリとの差は依然として大きいと認識している」としながらも、セッティング面でストレートをもう少し重視すべきだったかもしれないとした。
「(課題は)コーナー出口からストレートエンドのまでのスピードでした。コーナー出口でぴったりとついていれば抜けたんでしょうけど、最後は抜けたわけですから(絶対的にパフォーマンスが足りずに)一生抜けなかったわけではないですし、容易には抜けなかったのはパワーとドラッグ(空気抵抗)の妥協点をどこにすべきかというところに課題があったのだと思います」
スペインGPを総括して、結果にこそつながらなかったもののここ2戦の不振理由だったマシン挙動の悪さを解決できたことは大きいと田辺テクニカルディレクターは話した。
「ここ数戦の悪かったところから色々学んで成長したセッティングの仕方が、それなりの結果として出て来たというのはチームとしても感じています。ガスリーも『今年最高の感触だった』と話していましたから、それがレースで生かせなかったのは残念でしたけど、それが見えてきたのはいろいろな意味でこの先につながっていくと思います」(米家峰起通信員)


