5月にバスケットボールB1(1部)昇格へ導いた秋田ノーザンハピネッツの田口成浩主将(28)が28日、秋田市内で移籍会見を開き、昨季B1プレーオフ準優勝の千葉ジェッツへの移籍を明らかにした。bjリーグ時代の11年に入団し、7シーズンを地元秋田で過ごした生え抜きが会見で号泣。「秋田から離れるというのは残念。寂しいです、申し訳ない気持ちでいっぱい」と、声を絞り出した。

 ステップアップの移籍を選んだ。20年には東京オリンピック(五輪)が行われる。「五輪に出たい。年齢的にも環境を変えて挑戦したかった」。一方、主将としての苦悩も口にした。「温度差は感じていた。(勝って)安心しているようなところを見てしまうと、自分の中では違うな、と」。勝利にこだわるあまり、普段から仲がいいチームメートにまで厳しく接してしまい、シーズン後半からは接触を避けるほどだったとも明かした。

 それでも、苦楽をともにした谷口、白浜らの話題になると、我慢していた涙が止まらなくなった。「あいつらはかわいいですよ。一緒に降格して、はい上がったメンバー」。クレイジーピンクと呼ばれる熱狂的なブースターに対しても「降格した時も優勝できなかった時も、どんな時もありがとう、といつも言ってくれた」。移籍しても自慢のパフォーマンス「おいさー」は続けると宣言。「千葉のあれだけの人の前でやらないで、どこでやるんだ」と、最後は笑顔で会見を締めくくった。【高橋洋平】