全日本強化選手の染谷香予(27=テアトルアカデミー)が一般女子組手で2年ぶり2度目の優勝を飾った。18選手出場のトーナメント決勝で、同じ強化選手で帝京大の後輩でもある森口彩美(22=AGP)に6-1で快勝した。先週のアジア選手権68キロ級で3連覇を果たし20年東京オリンピック(五輪)出場レースで好スタートを切るなど好調を維持している。

 力の差を見せつけた。染谷は開始直後に森口に先制ポイントを許したが動じない。軽いステップからスピードあふれる左右の上段突きを連発し、6連続得点で優勝を決めた。「今は結果が出ていますので。ただ、五輪を目指すためには、もっと自分を向上させていかなければと思います」。染谷はそう言って流れる汗を拭った。

 好調だ。階級別で行われる国際大会の68キロ級で上位に食い込んでいる。世界空手連盟のプレミアリーグでは1月のパリで2位、6月のイスタンブールで7位。今月から20年東京五輪の出場権に直結するランキング争いがスタートし、最初の対象大会だったヨルダン・アジア選手権で3連覇を果たした。現在、世界ランク4位につけている。

 五輪では5階級が3階級に統合され68キロ超級の実力者・植草歩(JAL)と同じ61キロ超級に組み込まれる。一時はすぐ下の61キロ級で戦う妹真有美(茨城県職員)ともども転級も考えたが、今は現階級で戦い抜く意向だ。「攻撃力を生かすための守りを強化し、外国選手に比べて小柄な体を逆に武器にしたい」。163センチの体に今以上のスピードを備えて、染谷は内外のライバルとしのぎを削っていく。【小堀泰男】