数々の疑惑に揺れる日本ボクシング連盟に対し、若年層における不公平さを訴える声が上がった。15歳以下の選手による全国大会で、山根明会長(78)の出身母体である奈良県を含む「関西優遇」の現状を説明。ブロック別に代表選手が出場するが、関西だけは2枠が用意され、公平性に欠けるとした。また、15歳以下の大会は日本連盟主催と、日本プロボクシング連盟主催の大会があり、現状では小学校1年生でアマかプロか選択しなければならない理不尽さも糾弾した。

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 ボクシング界の未来を担う少年少女たちにも、いびつな事態が起きていた。アンダージュニア(UJ=15歳以下)の関東ブロック代表監督を務める乃生秀彦氏(46)は「底辺拡大、普及という意味で、全くおかしいことになっています」と状況を説明した。

 現在連盟主催の15歳以下の全国大会は2つ。そのうち春開催の全日本UJ大会は、全国を9ブロックに分け、予選を勝ち抜いた選手が本戦に出場するが、公平性が疑われている。基本各ブロック1人の代表だが、関西だけは2枠。同氏は「山根会長がいた奈良県、縁が深い芦屋大がある兵庫県があるからでしょう。関西優遇です」と指摘する。

 競技人口に沿って決定していれば納得できるが、「一番多いのは関東。理由になりません」と否定する。枠決定は山根氏の息子の守昌氏が委員長のUJ委員会でなされており、優遇が疑われてもおかしくない。今年3月に第7回大会が行われたが、第1回以来関西2枠は変わらず、兵庫県開催だった15年には地元の兵庫枠も1枠設けられ、関西で3枠に。連盟幹部は「どうしてそうなっているのか分かりません」と答えた。

 また、選手の将来という意味でも看過できない状況にある。連盟が17年4月に突如発表した文書で、選手が日本プロボクシング連盟主催のUJ層の大会に参加した場合、連盟主催の大会には出場できないと通達された。プロの大会は対象が小1からで、小1でアマとして五輪を目指すか、プロで世界王者を目指すかの選択を強いられるのが現状。同氏は「非常識すぎる」とした。

 アマとプロはUJ世代の育成強化で手を携えた時期もあったが、現在は決裂状態にある。先行してUJ層の大会を行っていたプロ側に、後発のアマ側の大会日程が重複し、アマ側が選手確保のためにプロとの交流を断絶するような措置に出たとの見方が有力だ。

 連盟の定款の第3条には「普及及び振興を図り、もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする」とある。決定過程が不透明、是正もされないまま、選手が犠牲になる状況はあってはならない。【阿部健吾】