日本ウエイトリフティング協会の理事会が15日、都内で行われた。

女子日本代表監督を兼務する三宅義行会長(72)へのパワハラ疑惑を、1日に行われた協会常務理事会で議題に上げ、一部マスコミに語った、古川令治常務理事が取材に応じた。古川氏は3年前の15年に三宅氏のパワハラを告発した、当時日本代表の女子選手の意向を受けて、告発に至ったことを強調した。

古川氏は理事会後、報道陣に囲まれると「(理事会で)発表があります。何も言うな、一切言うなと言うことで…私はどちらかというと、つるし上げを食らった感じで、全員に怒られて終了です。一切言うなと。発言はいっぱい、しましたけど」と苦笑した。その上で「最後の場面は会長を除いての議論。コンプライアンス委員会ですから、ルールとしてです。コンプライアンス委員会で、きちんとやることについては納得しました。そうでないと、私が出て行った意味がないんで。ちゃんと調査してくれることになったので、出ていった価値はあったと思います。あまりにも皆さんに対し、失礼なことをしたので深く反省しております。マスコミに言いたい放題言ったので怒られた」などと理事会の様子を明かした。

今回の問題は、15年に当時日本代表の女子選手が、三宅氏のパワハラを告発したものの同年8月に三宅氏、当時の専務理事、選手のコーチ、所属先関係者の4者で話し合い、和解。調査に至らなかったことが前段としてある。古川氏は「本人の訴えがないのに動いたのか?」と聞かれると「本人は訴えられるわけ、ないですから。自分が動いたりしたら、クビになっちゃう。非常に立場が弱いわけですから。動けば会社で働いているわけだから。そういう関係があるわけですから」と、女子選手が所属した企業がレスリングと深い関係の会社であることを示唆した。

報道陣から「意向を汲んで?」と聞かれると「そうです。電話で話しただけですけど」と答えた。「不満がくすぶってる?」と聞かれると「そうです」と答えた。

自身の協会での立場が厳しくなるのでは? と聞かれると「私は外部の人間ですので、いつ私がクビになってもいい。ウエイトリフティングが、メダルを取ってくれればいい…そのためには、過去の過ちをきれいにしなければいけないですから」と強調した。【村上幸将】