全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は、5日から東京・調布市内で開幕する。男子は3年連続3度目出場の静清(静岡)が、6日の2回戦で大村工(長崎)-習志野(千葉)の勝者と対する。自身も3度目の出場となるS高橋涼主将(3年)を中心に、8強を目指す。

静清は経験豊富な高橋が、浮沈の鍵を握りそうだ。山内健至監督(46)が「バレーをよく知っているので、コート内は彼に任せています」と評価するほどチームからの信頼は厚く、自身も「みんながこの1年間やってきたことを全て出し、静岡代表として1つでも上に行けるように戦いたい」と鼻息を荒くしている。

小学時代には黒潮キッズSSで3度の全国大会に、浜岡中3年時には県選抜メンバーに選ばれ、全国都道府県対抗大会に出場した。静清でも2年連続春高出場と、全国レベルを知りつくす。「全国の選手たちは体が大きく、球際にも強い。去年負けたとき、自分の実力不足と練習不足を痛感しました」と話した。

それからは練習の鬼と化し、自らを追い込み続けた。毎朝6時に起床。部活が休みの火曜日を除き、6時45分から8時まで学校の体育館で自主練を行う。火曜日は放課後に自主練。365日バレー漬けの日々を過ごし、力を磨いてきた。それでも主将は「まだ足りない。大会に向けて個の力はもう上がらないと思うので、ブロックやレシーブなどの連係を高めてチーム力を上げていきたい」と、残り少ない期間でのレベルアップを目指している。

昨年一番の後悔として、準々決勝で敗れた県総体を挙げた。「サーブカットやレシーブ力が足りず、粘れなかった。万全の状態で臨んでいただけに、悔しかったです」。その経験をバネに春高予選では3連覇。高校最後の大舞台に向けては「見る人に感動を与えられるような試合をして、優勝するつもりで臨みます」と力強く話した。【河合萌彦】