世界ランキング9位の錦織圭(29=日清食品)が、20代最後の年を白星でスタートだ。過去1勝0敗で、同63位のデニス・クドラ(米国)を相手に7-5、6-2で勝ち、ベスト8に進出。「第1セットはてこずったが、1試合目としてはいいプレーができた」と、最高のスタートを切った。

相手のサーブに手を焼き、5オールまでは一進一退の攻防が続いた。しかし、「その後、相手が少し落ちた」。そのスキを錦織は逃さなかった。4-5から一気に5ゲームを連取して流れをつかむと、結局、自分のサービスゲームを1度も落とさないばかりか、ブレークポイントさえ与えない手堅い勝利で、19年開幕戦を飾った。

18年12月29日に、ここブリスベンで29歳の誕生日を迎えた。「大会期間中だから、特に何も。昨年はケガで家にいたから、誕生日も大みそかも家にいて友だちが来た。テニス止めたら、楽しみたい」。

30歳を前にしての感想を、18年末に「おじさんの一歩手前」と話していた。錦織流に言えば「おじさんは35歳から」ということになる。その手前にさしかかったというのだ。

08年2月に18歳でツアー初優勝。当時としては、ヒューイットが16歳で優勝して以来の若さだった。それだけに、自分が29歳になるのは「ちょっと信じられない。まだ25歳ぐらいの感じ」と若々しい。その気持ちで、感覚では1歳年上、実年齢では3歳年下のクドラを下した。

18年は復活の年だった。そして19年は再び飛躍の年とする。まだ優勝がないマスターズ大会、4大大会への夢は広がる。「何か特別な年にしたい」。その後には「本当に楽しみ」という20年東京オリンピック(五輪)が待っている。

 

◆WOWOW放送 12月31日~1月6日。男子は連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信中。女子は大坂なおみの試合をハイライトで放送。