男子はコンサドーレが初出場初優勝を果たした。1次リーグを2位通過し、プレーオフで札幌国際大に快勝して臨んだ決勝で、チーム東京を6-2で退けた。

18年平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)代表のSC軽井沢クから移籍したサード清水徹郎(31)が力強いテークで貢献。自身9度目の頂点を新チームでつかんだ。全10試合で9勝と圧倒した成績で道勢男子9年ぶりの世界選手権(3月30日開幕、カナダ)出場を決めた。

コンサドーレの初Vを決めたのは、清水が放ったショットだった。6-2の第4エンド。ハウス内の相手ストーンを冷静にテークアウトし、追い上げを振り切った。SC軽井沢ク時代は8度優勝。新チームでの“初優勝”に「久しぶりに試合前に緊張して不安な部分があった。他の3人が調子が良くて良いパフォーマンスができた」。まずは仲間に感謝した。

相手攻撃を何度も断ち切った。清水の務めるサードは、終盤につなげる大事な順番。そこで、相手のストーン2個をはじき出すダブルテークアウトを3度も見せた。第4エンドは自分のストーンをハウス中心に残しつつ、外に出す絶妙なショット。「テークは僕の武器。ピンチを防げる。今日はうまく当たって良かった」とうなずいた。

力強さが加わった。今季新設されたチームは、昨季準優勝のチーム北海道在籍の4人が主体。そこに、日本の男子では開催枠以外で五輪に初めて出場したSC軽井沢クのサードが加わった。スキップ松村雄太(29)は「場面を変える力が変わった。すごく信頼している」。長年、世界の舞台で戦ってきた技術や経験をチームに注入。昨年11月のパシフィック・アジア選手権(韓国)では、日本男子では2年ぶりの優勝にも貢献した。

チーム内では、愛称の「てっちゃん」で親しまれている。サッカー好きで、J1札幌を観戦して「1試合1試合がどれだけ大事か学んだ」と刺激を受けてきた。3月には再び世界選手権に臨む。現チーム5人で唯一、大舞台を経験しており、現状の見立てでは「今やってる感じでは、真ん中より上(の順位)に行ける」。経験豊富なベテランが、カーリング界の「赤黒軍団」を世界へとけん引していく。【西塚祐司】