男子決勝で18年ユース五輪複合覇者の土肥圭太（18＝鹿児島県連盟）が4位に入り、日本協会の選考基準を満たし、初の世界選手権代表に決まった。25日の予選から愛用のデニムをはいた「デニムクライマー」として注目を集めた。男子は楢崎智亜（TEAM　au）が2連覇、女子は野中生萌（XFLAG）が初優勝を飾った。女子3位の森秋彩（茨城・つくば開成高）、4位の谷井菜月（奈良・橿原学院高）、5位の倉菜々子（ウィルスタッフ）も世界代表入りした。

18歳のデニムクライマーが、20年東京オリンピック（五輪）代表に名乗りを上げた。土肥は1種目目のスピードで8位と出遅れたが、得意のボルダリングで難易度の高い3つの課題を完登して1位。リードは5位で、総合4位となって世界代表の切符をつかんだ。「自己採点は80点。（世界代表を）狙いにいかなかったのが功を奏したのかも」と笑みを浮かべた。

競技用の短パンを着用する選手が多い中、予選から2日連続で異例のデニムをはいて臨み、注目の的となった。短パンの場合、「擦り傷が気になる」として、5年前からストレッチ素材の競技用デニムを着用している。「単純に一番動きやすい。今後、『デニムクライマー』とかはやれば良いけど…」。17年のリード日本選手権準決勝では、ユニクロのジーンズで登った“伝説”も持つ。「自分でも伸びしろを感じる。（東京）五輪もギリギリあるかも」と、伝説の男が五輪代表争いに加わった。【峯岸佑樹】

◆土肥圭太（どひ・けいた）2000年（平12）10月17日、神奈川県生まれ。小学校低学年でクライミングを始める。神奈川・平塚中等教育学校－鹿児島県連盟。18年ユース五輪男子複合優勝。趣味は中国ゴマ。家族構成は両親、姉、弟。172センチ、60キロ。