女子200メートル平泳ぎで、渡部香生子(22=JSS)が2分23秒65で優勝したものの、世界選手権(7月、韓国)代表の派遣標準記録(2分23秒33)には0秒32及ばず、代表入りを逃した。

レース後は「いけるとの自信があったので、今は信じられない。本当に残念」と悔しさを必死に隠しながらインタビューに答えた。だが、表彰式ではもう我慢ができなかった。表彰台の真ん中に立っているのに、号泣して表情をゆがめた。4年前の前々回大会の金メダリスト。あまりにも痛々しい姿だった。

渡部は午前の予選で、前半を1分9秒31で折り返して、2分25秒26と全体のトップで通過した。「2分24秒台で泳ぎたいなと思ったが、緊張して、少し遅かった」。そして代表をかける決勝のかぎについては「前半は1分9秒前半で泳ぐことが必要。あとは接戦になった時は負けないという強い気持ちかな。日本選手権が終わって2カ月、この200メートル平泳ぎにかけてきたので、自分でも期待している。気も引き締まっている。目標を達成したい」と強い決意を口にしていた。

4月の日本選手権では、日本の「お家芸」の女子平泳ぎで代表選出がなかった。今大会は第1日に青木玲が100メートルで代表入りを決めていたが、16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)で金藤理絵が金メダルを獲得した種目で、代表を逃した。

200メートルは渡部にとって、15年世界選手権で金メダルを獲得してリオデジャネイロ五輪代表内定を決めている得意種目だった。来年東京五輪へ、気持ちを切り替えるしかない。まずは夏のユニバーシアードで記録を狙っていく。