【バーゼル=松熊洋介】女子ダブルス世界ランキング3位の福島由紀(26)広田彩花(25=アメリカンベイプ岐阜)が、第6シードの李紹希、申昇■組(韓国)を2-1で下して準決勝進出、3年連続のメダル獲得を決めた。混合ダブルスの渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス)組、男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)、女子シングルスの奥原希望(太陽ホールディングス)も4強入り。男子ダブルスは日本ペアの対決となるため、日本勢は全5種目でのメダル獲得が決まった。

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日本の4組すべてが8強に残った激戦の女子ダブルスで、フクヒロペアがメダル一番乗りを果たした。

第2ゲームを9連続失点などで落とし、迎えた第3ゲーム。初めは悪い流れを断ち切れずにいたが、後半我慢して、得意の長いラリー戦に持ち込んで粘り勝ち。福島は「レシーブからでも攻めていけたのが良かった」と振り返った。普段から10ラリー以下で決まることはほとんどない。相手の球に対し、慌てずコースを突きながら、チャンスが来たら一気にギアを上げ強打を畳み掛けた。広田は「レシーブで受けてばかりではなく、強い気持ちでいけたのが良かった」と話した。

広田がどんどん前に行き、2人で縦横無尽にコート内を駆け回るスタイルは最初からだった。広田の高校卒業後、13年に初めてペアを組んだ2人。1学年先輩の福島はどこでもがむしゃらに飛び込んでいく広田を見て「どうやっていったらいいんだろう」と困惑したという。広田は「好きなようにしていいよ、と言われたので」と笑いながら話すが、この頃から前衛と後衛を決めず、自由に入れ替わるプレースタイルを貫く。この日も同じ形で勝利した福島は「お互いにグルグル回りながら攻撃をした。相手も疲れてミスにつながったと思う」と話した。

東京五輪出場争いのポイントレースで1歩リードしたが、あくまで1戦1戦の意識は変わらない。3年連続のメダルにも福島は「そこはあまり気にしていない。優勝を目指しているので」と語った。悲願の初優勝まであと2勝だ。

※■は(王ヘンに賛の夫がそれぞれ先)