3連覇を狙う女王をあと1歩のところまで追い詰めた。10月に世界ジュニア選手権(ロシア)を制した郡司莉子(17=熊本・八代白百合学園高2年)が、世界ランキング4位の山口茜(22=再春館製薬所)に22-20、18-21、15-21の1-2で敗れ、8強進出とはならなかった。

熱戦を終えた郡司はすがすがしい表情で「同じコートに立っていて楽しかった。点数を離されて普通に負けると思ったので、手応えはあった。できることはやりきれたと思うので悔いはない」と振り返った。山口にあこがれ、神奈川の地元を離れ、熊本の高校に進学。練習で何度か顔を合わせることがあったが、試合での対戦は初めて。世界のトップで活躍する山口に対し、1歩も引かなかった。鋭いスマッシュにも素早く反応。高さのあるショットもさえ、ジュースの末に第1ゲームを奪った。「自分らしくラリーしながらどんどん攻めていけた」と笑顔を見せた。

第2ゲーム中盤以降、ネットにかけるなど勝負どころでミスが目立ち、逆転負け。世界との差も感じた。「前に落ちるドロップやカットで結構足を使わせられた。最初の方に決まっていた球が、2、3回目打った時にはもう決まらなかった」。緊張感のある中で山口に全力でぶつかっていった。1球1球が忘れられない経験。「自分はまだ高2。世界のトップの選手とできたのはすごく大きいことだと思う」。日本人で世界ジュニアを制したのは13、14年の山口以来。あこがれの大先輩の背中を追い掛け、成長し続ける。