ジュニアグランプリ(GP)ファイナル覇者の優勝候補、13歳のカミラ・ワリエワ(ロシア)が圧勝でジュニア2冠を達成した。

ショートプログラム(SP)を、ジュニアのSP世界最高得点となる74・92点で首位発進すると、迎えたフリーも152・38点の1位。計227・30点は文句なしの完全優勝だった。

冒頭の4回転トーループこそ減点されたものの、次の4回転-2回転の連続トーループを華麗に決める。出来栄え点(GOE)2・85点を稼ぐと、3回転ループ、ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)も難なく成功させた。基礎点が1・1倍になる後半も、3回転ルッツ-3回転トーループ、3回転フリップ-1回転オイラー-3回転サルコー、3回転ルッツ、すべてノーミス。3つのスピン、ステップも最高のレベル4を獲得するなど技術、演技構成ともに突き抜けた成績を残した。

13歳で圧巻V。2年後の北京五輪も目指すことができる新鋭だ。エテリ・トゥトベリゼ・コーチの門下生で、18年平昌五輪金メダルのザギトワをはじめ、今季シニア1年目で快進撃を続ける「天才3人娘」コストルナヤ、シェルバコワ、トルソワと同門。この日のフィニッシュで中継画面に映された左肘にあった傷が、日々の猛練習を物語っていた。

表彰式の後は2位のウサチェワとともに、ロシア国旗を背に場内を1周した。満面の笑みで記念撮影に応じた幼い表情と裏腹に、技術はシニア顔負けだ。既に習得した4回転トーループに続き、来季は新たな4回転ジャンプに挑む予定。勢いある先輩たちを脅かす日も遠くないかもしれない。