男子カヤックシングル(K1)は小松正治(28=愛媛県競技力向上対策本部)が逃げ切った。

狙い通りの好スタートから終始先頭でレースを進め、最後は別種目で東京五輪(オリンピック)出場を決めている藤嶋の追い上げを約0・3秒差でしのいだ。得意とする200メートルで連覇を達成し、「ほっとしている。スタートが決まって、落ち着いてレースができた」。会心の笑みを浮かべた。

感染症拡大による自粛期間中、ひそかにパワーアップを果たした。距離が短い200メートルのレースでは、500メートルや1000メートルに比べてより筋力強化が必要と考え、60~70キロの重りを身体につけての懸垂に励んできた。広背筋を徹底的に鍛えてきた効果が実戦で早くも表れた。

強化合宿が続いたうえ、コロナ禍で移動に制限が掛かったこともあって、福岡で暮らす妻と4歳の1人息子とは3月から会えていないという。それでも今大会を終えて、つかの間の休息時間が取れるかもしれない。「まだ具体的な日にちは決まっていないが、次の合宿までに会えることができれば」。久しぶりのだんらんのひとときが実現すれば、五輪出場を目指すうえで、大きなエネルギーとなるはずだ。【奥岡幹浩】