東京五輪の水泳会場である東京アクアティクスセンター(東京AC)の完成披露式典が24日、行われた。デモンストレーションに、白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が登場。200メートルの混合メドレーリレーでアンカー自由形を泳いだ。ゆったりと伸びやかなストロークで50メートルを泳いだ。

池江は「会場に着いて、プールを見た時、『来年はここでオリンピックが開催されるんだな』という実感がわいてきました。アスリートの代表、そして東京都の代表としても今日の式典に参加させていただき、良い経験になりました。普段会ったり話すことのないパラ競泳や飛び込みの選手と話ができたことも、とても良い機会になったと思います。3メートルの深さはすごく泳ぎやすくて、すばらしい環境だなと思いました」とコメントした。

池江は東京ACで開催される日本選手権(12月)の出場資格を得ていたが、西崎コーチと話し合って年内は体作りに専念することを決定。レースは見送ったが、デモンストレーションで東京ACを体感した。

同式典は今春に予定されていたが、コロナ禍で延期となっていた。小池都知事、橋本大臣、日本オリンピック委員会(JOC)山下会長らが出席した。

小池都知事は、池江の泳ぎについて「池江さんがお元気そうで、素晴らしい、流れるようなスイミングをみせていただきました。大会もそうありたいなと。大会の延期など予定にないこともありますが、ぜひとも大会を成功させたい。池江さんの元気な姿、元気な泳ぎを見て、こちらも元気をいただいた」と口にした。

東京ACは2月に完成したが、コロナ禍で式典が今春から延期になっていた。五輪開催時の収容人員は1万5000人で、総工費は567億円。五輪終了後は仮設部分を撤去して5000席となる。もし将来的に、世界選手権などのビッグイベントが開かれる際は、再び仮設の座席をプラスして1万人まで収容できるように想定されている。