フィギュアスケート女子で11月のNHK杯で4位となった三原舞依(21=シスメックス)が、思い入れの強い全日本選手権(24日開幕、長野)で輝きを放つ。

10日は神戸市内で公開練習。3回転ルッツ-3回転トーループなど連続ジャンプにこだわり「どんな状況で第1ジャンプを降りてきても、頑張って(3回転トーループを)つけるっていうのを意識しながら、ちょっとずつ手応えを感じています。今日も先生に『最近で一番いいのが跳べていたね』と言ってもらえていたので、ちょっとずつ自信をつけて、試合で思い切り跳びたいです」と意気込んだ。

昨季は体調不良により、全試合を欠場。12月の全日本選手権もテレビ観戦し、女子の最終グループを見ていたタイミングで、自然と涙があふれてきたという。

「全日本に出られない状況は自分のせいなので、その悔しさが強かったんですけれど、一ファンとして、全日本を観戦することができて、1人1人の演技への思いをすごく感じることができたので、本当に感動しました」

今季は10月の近畿選手権で約1年7カ月ぶりに実戦復帰。NHK杯では4位に入り、演技後は涙を流してファンへ感謝の思いを口にした。次戦の全日本選手権に向けて、1年前にテレビで見た感情を思い返した。

「『感動を与えられるスポーツなんだな』ってあらためて感じたのと、今見ている舞台に立つには『もっともっと努力しないといけないし、すべきことがたくさんある』ってすごく感じながら、見ていました」

復帰への過程を見守ってきた中野園子コーチも「普通の人間だったら、たぶん3年ぐらいはかかるんじゃないかと思う。(三原は)決めたことは必ずやるので」と素直な思いを口にした。その上で「近畿(選手権)が終わるぐらいまでは、そっと無理をさせないようにやっていましたけれど、それが終わってからは強くなっていきました。(11月の)西日本が終わってNHK杯に向けた時からは、普通の競技者だと思います」とアプローチの変化を明かした。

2週間後に迫った全日本選手権。三原はその思いを滑りに込める。【松本航】