今季限りでの現役引退を発表したラグビー元日本代表FB五郎丸歩(34=ヤマハ発動機)が16日、浜松市内で記者会見を行った。
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15年W杯日本代表のメンタルコーチで園田学園女子大教授の荒木香織さんは、“陰の立役者”としてラグビー元日本代表FBの五郎丸歩(34=ヤマハ発動機)を支えた。
ジョーンズ監督から「キック成功率85%」を指示された五郎丸と3年半かけてプレースキック前のルーティンを一緒に作り上げた。「五郎丸選手のもともとの動きを感覚ではなく、言葉で何をするかを決めて精度を高めた。感覚ほど怖いものはなく一貫性が大切だった」。荒木さんは当時をこう思い返した。
元イングランド代表で世界的名キッカーのウィルキンソンの動作を参考に細かな動きを分析。「ボールセット」「3歩下がって2歩左に歩く」など6つ以上の項目を設け、毎日10点満点で自己評価するよう提案した。点数の低い項目を改善すると成功率は上がり、W杯では南アを撃破するなど歴史的3勝に貢献した。
荒木さんはルーティンの他にも、五郎丸やリーチらリーダー陣と日本ラグビー界の歴史を変えるために「勝つ文化」を構築した。規律が大事なラグビーにおいて、グラウンド外の行動もプレーにつながると提唱。靴をそろえたり、全員で国歌斉唱したり、ロッカールームの掃除などを徹底した。この文化は19年W杯日本代表にも継承された。「あの時のリーダー陣の努力がなければ、今の代表はないと思う。五郎丸選手もその一員で、プレー以外の貢献度も大きく、これからの代表にも勝つ文化を受け継いでほしい」。
スポーツ心理学者である荒木さんは、鍛錬してる選手たちに「頑張れ」という言葉は使わない。代表で4シーズンともに歩み、ラストシーズンを迎える日本ラグビー界の立役者には「最高のパフォーマンスを期待してます。グラウンドで会いましょう」と激励の言葉を送った。【峯岸佑樹】


