今季限りでの現役引退を発表したラグビー元日本代表FB五郎丸歩(34=ヤマハ発動機)が16日、浜松市内で記者会見を行った。 「残り1シーズンを戦う気力、体力しか残っていない」と決断した理由を説明した。会見ではキックの際に両手を体の前で合わせる「五郎丸ポーズ」への思いも明かした。日本ラグビー界発展のために走り続けた男は、来年1月16日に開幕するトップリーグでファンへの感謝の思いを胸に戦い抜く。

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-引退の経緯について

五郎丸 22歳の時にプロ契約した瞬間から35歳まで第一線で戦い抜くと決意した。この日が来ることは決まっていた。残り1シーズンしか戦う気力、体力しか残っていない。(今季で最後となる)TLとともに去る決断をした。

-引退後について

五郎丸 全くの白紙。不器用で目の前のことを積み上げてきた人間。役目を終えた後に、しっかり今後について考えたい。

-代表に初選出された05年以降の苦労は

五郎丸 W杯に本当に縁がない人間だった。ジョーンズHCという素晴らしい方に呼んでもらい、ラグビーに大きく貢献できたことは本当にうれしく思う。

-ジョーンズ監督の存在は

五郎丸 間違いなく自分の人生を大きく変えてくれた存在。今でも日本ラグビー界の歴史を変えた南アフリカ戦は心に残っている。

-23年W杯1次リーグはイングランドと対戦する

五郎丸 何かの縁で決まり宿命を感じる。ラグビーが生まれた素晴らしい国に勝利することで、ラグビーの価値がさらに高まる。後輩たちには「最大のターゲット」として頑張ってもらいたい。

-静岡での思い出

五郎丸 静岡に来て13年目。日常が僕の中では幸せ。練習に向かう車、食べ物がおいしかったり、海が近かったり。太陽が昇る前の朝5時から海岸で釣りして、ヒラメが釣れた時は一番うれしかった。

-ラストシーズンで後輩たちに残したいもの

五郎丸 今、下の子たちに残す考えはない。まだ同じ現場、同じフィールドで生きてる人間だし、彼らとはレギュラーを争う。それがプロ選手としてやるべきことだと感じる。

-来年1月16日のTL開幕戦に向けて

五郎丸 ヤマハとして初めて日本一を取ったのが(15年)日本選手権。TLタイトルはまだ取れてなく、このタイトルを取ることでチームが1つ2つステップアップできる。残された1シーズンは、感謝の思いをしっかりと胸に秘めて、全力で戦い抜きたい。