17年4大陸選手権優勝の三原舞依(21=シスメックス)が、69・55点で3位発進を決めた。戻ってきた日本一を決める舞台で会心の演技を披露した。

「6分間の直前まで緊張してたんですけど、氷に乗ってから緊張がまったくなくなった。始まる前から泣きそうだったんですけど、最後まで楽しく、練習してきたことを出せました」。ジャンプは冒頭の3回転ルッツ-3回転トーループから、ダブルアクセル(2回転半)、3回転フリップと成功。特にステップシークエンスでのレベル4の獲得を喜び、「先生と一緒に『ここを直して』って言われたところをしっかり直せた結果かなと思うので、本当にうれしいです」と成果を手にした。

演技を終えると、両手でこん身のガッツポーズ。すぐに笑顔が広がり、駆けだすようにリンクの中央へと滑り出した。「最後のスピンからうれしくて、どうしよって感じだったんですけど、2分50秒以内がギリギリで。それを考えてスッと止まるようにして。お客様の拍手が聞こえてきて、すごくうれしくなって。リプレーを見たら、すごい顔をしてたな、それくらいうれしかったのかな」と照れて振り返った。

昨季は体調不良により、全試合を欠場。全日本選手権もテレビ観戦し、女子の最終グループを見ていたタイミングで、自然と涙があふれてきたという。1年後、見事にその大会に舞い戻った。「先生からもまだ半分しか終わってないと。ショートはショート、フリーはフリーと切り替えて。ローリーさんの振り付けなので、1つ1つ大切にフェアリー(妖精)になりきって、森の世界に連れていける演技をできたらいいかなと思います」と27日のフリーに臨む。