流通経大柏(千葉)が、シード校の関西学院(兵庫)を26-7で撃破した。

立役者はニュージーランド出身のNO8、ディアンズ・ワーナー(3年)。201センチの長身を生かして攻守で存在感を発揮し、逆転トライを奪う活躍で勝利に貢献した。桐蔭学園(神奈川)が日本航空石川に37-0、東海大相模(関東)が山形中央を50-7で下して3回戦に進んだ。シード校の目黒学院(東京第1)は大分東明(大分)に12-25で敗れた。

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FWの平均体重で、10キロ近く上回る流通経大柏が、難敵を退けて前回大会に続きベスト16入り。9月に36歳で急逝したOBの湯原祐希さんをしのぶ喪章をつけて戦うフィフティーンは、スクラム、ラインアウトなどセットプレーの攻防で関西学院を圧倒した。フッカーの当真蓮主将は「シード校を相手に自分たちが思い描いた展開に持ち込めた」と声を弾ませた。

前半互いに1本ずつトライを奪って7-7で折り返すと、自慢のFW陣が敵陣深くまでを何度も攻め込んだ。後半7分、ディアンズが、右サイドにできたラックからボールを持ち出し、ディフェンスを物ともせずインゴールに飛び込んだ。

他の選手も喜びを爆発させ、201センチの長身の頭を何度もたたいて活躍をたたえていた。主将の当真は「勝負の決め手はFWと思っていたので、流経のプライドが見せられた」。逆転トライを挙げたディアンズは「左にスペースがあったので。自分のフィジカルなら勝てると思った」と振り返った。

仲間たちの信頼を一心に受ける201センチの長身FWは、今大会登録選手で唯一の2メートル超。過去をさかのぼっても圧倒的なサイズを誇る。トップリーグのNECのコーチに就任した父に連れられ中学2年で来日。千葉県内のラグビースクールから選抜されたチームの一員として全国大会に出場するほど、中学時代からその名が知られていた。

練習会に参加した時、相亮太監督に誘われて入学した。指揮官は「(ディアンズは)入学当時は、まだままだきゃしゃだったけど、今ではチーム1のパワーです」と信頼も厚い。県予選決勝ではロックだったが、花園ではNO8。FWならさまざまなプレーができる柔軟さも大きな魅力だ。

来年1月1日には、3回戦で強豪の常翔学園と対戦する。勝敗のカギを握る最上級生、ディアンズは「きょうのように練習してきたことをしっかり出せば絶対に勝てる」と闘志を燃やした。【平山連】

◆ディアンズ・ワーナー 2002(平14)年4月11日生まれ、ニュージーランド出身。母国で4歳の時にラグビーを始めた、中学生の頃に来日。流通経大柏2年時からスタメンに名を連ね、FWの中核としてチームを支えている。学校の授業で書道に取り組み、作品が入賞を果たしたほどの実力。好きな漢字は「守る」、理由は「ディフェンスが重点の自分のラグビーに通じているから」。201センチ、118キロ

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