2連覇を狙う早大(関東対抗戦2位)が帝京大(同4位)との再戦を33-27で制し、2年連続で決勝(11日、東京・国立競技場)に駒を進めた。天理大(関西1位)は2季前の決勝で敗れた明大(関東対抗戦1位)に41-15で雪辱。悲願の初優勝へ2大会ぶりに挑戦権を得た。両軍が決勝で対戦するのは初めて。

  ◇   ◇   ◇

早大は帝京大の弱みにつけ込んだ「修正力」が光った。昨年度の優勝チームで経験値も高いが、積み上げてきたものが明確でしっかり準備できていた。互いにコロナ禍の影響で例年より練習時間が少ない中、試合をしながら修正していく。この日は相手をラインアウトから崩し、武器であるラインアウトからのモールでトライを重ねた。1対1だと帝京の方が上だが、相手の短所を見つけて、強みを当てた理想的な攻撃だった。1年のCTB伊藤の動きも象徴的。相手の縦の動きに対して、横の引いた動きを加えて空きスペースにパスを出し、FB河瀬(3年)のトライを演出した。対抗戦での課題修正や意識の積み重ねが統一できている証拠だろう。

天理大は絶対にフリーにさせてはいけないCTBフィフィタ(4年)の“陰の立役者”ぶりが素晴らしかった。明大数人を引きつけて、外スペースを有効活用し他の選手を生かす。まさに「One for all All for one」のラグビー精神を体現し、こういった行為が他14人にも好影響をもたらした。視野も広く自らの突破だけでなく、パスやキックなどの攻撃オプションを複数持ち、相手からしたら大きな脅威だろう。ディフェンスでの圧力も強く、明大は思うように攻められなかった。キーマンのNO8箸本(4年)も前に出られず、攻撃のテンポを上げられなかった。天理大は新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)なども影響もあり、苦しい日々を送っただろうが、全員で戦術を深掘りするイメージマネジメントもしっかりできていたに違いない。

国立競技場での決勝は場慣れや経験という意味では早大優位だが、準決勝のように「歓声なし」であれば五分五分とみる。東西決戦まであと9日。こういった大舞台こそ、ラグビーの基本であるセットプレーと規律の徹底が勝敗を分けるカギとなるだろう。(元日本代表)