国際柔道連盟(IJF)は12日、公式ホームページで世界選手権(ブダペスト)女子78キロ超級を制した朝比奈沙羅(24=ビッグツリー)の試合後の行動を称賛した。

ホームページには決勝で左膝を負傷した20年全日本女子選手権覇者の冨田若春(24=コマツ)を背負いながら畳に一礼する写真とともに、「金メダリストの優しさ」「世界女王を体現する素晴らしいスポーツマンシップ」などと賛辞が贈られた。

延長5分36秒に勝負が決まり、朝比奈は1人で歩行できないライバルのもとへ駆け寄った。体重102キロの冨田を背負って、畳を下りる際に深々と一礼。来場者から盛大な拍手が送られた。表彰式後、2度目の世界女王となった24歳は「おぶったのが正しい選択かは分からないが、一緒に畳に礼をして出るのは相手として必要最低限やることだと思った」と説明した。

負傷した冨田は全日本柔道連盟を通じて13日にコメントを発表。「背負われて恥ずかしかった。やっぱり自分の足で畳を下りたかったのが本音。ただし、朝比奈選手にはとても感謝しています」と謝意を伝えた。