優勝を飾った三浦佳生(かお、16=東京・目黒日大高)が自らを厳しく評価した。

サルコー、トーループと2種類の4回転ジャンプを成功させるなど、133・06点を記録。ショートプログラム(SP)との合計で204・28点をたたき出した。それでもトリプルアクセル(3回転半)の回転が抜けるなど課題もあり「率直に悔しい気持ちがすごく大きい。『初戦だからいいや』っていう気持ちじゃなく、この試合で出た課題がたくさんあるので、そこを見つめなおしていきたい」と自己評価した。

今季のフリーは「ポエタ」。19-20年、20-21年と樋口新葉がフリーで使用していたこともあり「ずっと好きで『使いたい』と思っていた」。かつて06年トリノ五輪銀メダリストのステファン・ランビエル氏も滑っており「ステファンのポエタは演技の最初から最後まで世界観が見えていた。(自分は)フラメンコらしさが全然ない。衣装が曲に見劣りしている。次の試合までにブラッシュアップできたらと思います」と初戦の出来に満足する様子はなかった。

すでにシニアへ転向した鍵山優真(星槎国際高横浜)、佐藤駿(フジ・コーポレーション)らと切磋琢磨(せっさたくま)してきた間柄。2人に負けじと、世界を目指す決意は固い。

「4回転2つは跳べたけれど(2本目で両足着氷となった)トーループはいってはいけない方向にいった。あれじゃあ、世界で戦っていけない。そういったところは、しっかりやっていきたい。アクセルも跳べないと。跳べて当たり前の世界に行かないといけない」

あえて厳しい言葉を並べ、今季に懸ける思いをにじませた。【松本航】