18年全日本ジュニア選手権女王の横井ゆは菜(21=中京大)が1番滑走で登場した。

冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)は成功したものの、続く3回転フリップは着氷が乱れ、最後の3回転ルッツは抜けて1回転(連続で付けた3回転トーループは成功)となった。

演技後は「うん。久しぶりに、いい気持ちで試合を迎えられたので良かった」と納得の表情を見せ、内容については「ミスが多くて触れるまでもない。実力がないことを、あらためて再確認できました」と笑い飛ばした。

夏場は「楽しむことを忘れていた」という。その理由には「練習で調子悪かったり、残る競技生活が長いものではない中で、いろいろ考えるところがあって。今後どうしようとか余計なことを考えてしまったり、頑張って何になるんだろうと考えてしまったり。練習に対しての向上心がなく、試合への価値も見いだせなくなってしまった」と語る精神状態に陥っていた。

しかし、前夜にノービス選手(主に小学生)の演技を映像で視聴。「鑑賞していたら小さい子が3回くらい、こけていたのに、落ち込むことなく楽しそうに滑っていて。それが、自分にはできていなかったな」と気付かされた。

「自分が楽しんで、皆さんに楽しんでいただけるように。そう口で言ってるだけで体現できていなかったので、まず試合を楽しむことを思い出したくて今日は挑んだので。次の大会へ向けて、いい経験ができました」と熱意を取り戻した。26日のフリーに向けても「ジャンプが全ミスしても楽しかったと言えるようにしたい」と前向きだった。

プログラムは「マラゲーニャ」。スペイン・マラガ地方の舞曲で、中学3年の時に使っていた曲だ。これに関しては「戻したというか、昨季はきれいなパステルカラーの衣装だったんですけど、今年は赤黒の衣装にしたい、ということが念頭にあって。それでタンゴ系の曲とか聴いてみたんですけど、なかなか入り込める曲がなかった。それで、昔も1年しか使っていなかったし、いろいろな方から『ゆは菜に合ってるね』と言ってくださったので選びました」と説明していた。【木下淳】