中大が筑波大を下し3位に輝いた。アウトサイドヒッターの鍬田憲伸やピンチサーバーで入った主将の山岸隼といった4年生が随所で活躍を見せ、フルセットにもつれる熱戦を制した。

第5セット、中大1点リードで迎えたマッチポイント。2時間余りに及ぶ接戦を締めくくったのは、ピンチサーバーで入った中大のアウトサイドヒッターの羽田汐音(1年)。右隅を狙った鋭いサーブは相手コートに落ちた。サービスエースで15-13。ベンチメンバーも含めてコート中央に選手たちが集まり、歓喜の輪を作った。

前日の早大戦は0-3とストレート負け。そこから切り替えた。山岸は「最後に勝って終われたのが良かった」と、涙を浮かべながら感慨深そうに語った。自身も第1、第2セット中盤に起用されると鋭いサーブで得点を奪ったことに「中大はサーブが武器なので、ムードを変えなくちゃいけないと思った」と期待に応えた。

前回大会直前にはチーム内に新型コロナウイルス感染者が出たため、出場を辞退した。「昨年の4年生の思いも背負った大会だった」と豊田章平監督が語るように、最上級生を中心に勝ち上がってきた。

この試合で最も印象に残った選手に選ばれた鍬田は「勝負どころを自分が絶対に決めないといけないと思っていたので、その気持ちだけだった」と述べた上で、「この賞が取れたのも後輩たちがしっかりついてきてくれたから」と後輩たちをたたえた。