女子500メートル、1000メートル、1500メートル、3000メートル、団体追い抜きの5種目に出場する高木美帆(27=日体大職)の13日間、最大7レースという過酷な戦いが始まった。

最初の種目となった3000メートルで3組に登場。18年平昌五輪同種目金メダルのアクテレークテ(オランダ)と同走し、4分1秒77で6位となった。佐藤綾乃(25)は9位だった。金メダルは3分56秒93の五輪記録をマークしたスハウテン(オランダ)。

できれば4分を切ってメダル争いにからみたかった。200メートルから600メートルにかけての1周400メートルのラップが31秒24。「自分の中でも悔いの残る出だしになってしまった」と、30秒台で入る予定が、やや出遅れた。

そう語った表情はさえない。実際のタイムと感覚のズレがあったようだ。

「このリンクで滑るのが初めて。タイム設定とかするのが難しい」中で、2600メートルまでは31秒台でしっかりと正確なラップを刻んだ。しかし、最後の400メートルで32秒91と、1秒以上、ラップを落としたのが痛かった。

それでも、まだ4種目を残す。次は7日の1500メートル。前回金メダルとは0・2秒差と迫っての銀メダルだった。得意とする種目を前に、レースをこなしたことは大きい。この日の感覚をもって、2日後の表彰台に向けて修正していく。

「私の中で5種目トライするのは大きな意義や、自分の中の譲れないものという目標だったわけではない。特別なことを成そうとしているのではなく、自分ができる種目に挑みに行くという思い」。その自分への挑戦が幕を開けた。