紀平梨花(20=トヨタ自動車)がはやる気持ちを明かした。

3年ぶりのGPシリーズは、練習拠点を置くカナダ。師事するオーサー・コーチがリンクサイドから見守る中で公式練習に臨み、「『フリップ、ルッツやりたい』っていうのを今日もちょっと素振りを見せたけど、『まだやめとこうか』っていう感じで言われたんで」とにこやかに振り返った。

ファイナル女王は、昨季の右足首疲労骨折から回復途上。まだ負荷がかかる練習をすると痛みが出る中で試合を迎えている。いまも右足をつくトー系のジャンプ、フリップ、ルッツは自粛しているという。

ただ、試合の雰囲気が近づき、さらに国際大会。気持ちは高揚し、跳びたくなる。だからそぶりを見せた。

「確かにその後で、後悔して、またショートの時痛くなってとかはダメなので」。コーチからのストップを受け入れながら、「そこは自分と戦って、我慢して」と心に決めた。

10月8日のジャパンオープンからはフリーの構成で3回転ループを増やした。この日の練習では連続3回転も跳んだ。「やるつもりなかったんですけど、今日、初めて跳んで。やりたくなっちゃって。やったんですけど、でも良かったので。入れるかっていうのは未定なんですけど、いい状態にはなってきてるなと思っています」と気持ちは前に向けた。