日本の歴史を変えてきた男子テニスの錦織圭(33=ユニクロ)が、苦悩の中にいる。14年全米オープンでアジア男子初の決勝に進出。15年には世界ランキングでもアジア男子最高の4位になった。

しかし、21年10月のBNPパリバオープン以来、左股関節の関節唇損傷と右足首の故障もあり、1年以上も実戦から遠ざかっている。復帰の見通しがたたず世界ランキングは消滅。これまで多くを語らなかった錦織がけが、現在のテニス、そして家族への思いまでつまびらかにした。

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◆錦織のこの5年の主なけが 17年8月の全米前哨戦で練習中に右手首の尺側手根伸筋腱(けん)を脱臼し、その時点で17年のシーズンが終了した。18年1月に米国のツアー下部大会で復帰。19年10月に右ひじの骨棘(こっきょく)2本を取り除く内視鏡手術を受けた。全米を最後に19年のシーズンを終了した。20年8月に新型コロナウイルスに感染し、復帰予定の全米出場を断念。9月のオーストリアで、約1年ぶりに実戦に復帰した。21年9月に左股関関節唇損傷で痛みが再発。同年10月を最後に実戦を離脱し、22年1月に内視鏡の手術を受けた。復帰を目指していた9月に右足首を捻挫し、1年以上実戦から離れる日々が続いている。