ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(26=トヨタ自動車)が2年連続6度目の優勝を飾った。6回の頂点は佐藤信夫(10回)に次ぎ、本田武史と羽生結弦に並ぶ歴代2位。オリンピック(五輪)2大会連続メダル獲得、世界選手権2連覇のエースが、新たな高みに到達した。

フリー193・85点の合計298・04点でSPのリードを守り抜いた。冒頭の4回転ループこそ、やや着氷が乱れたものの、あとは4回転フリップや4回転―2回転の2連続トーループなどを順当に降りた。演技を終えると笑みをこぼし、ステファン・ランビエル・コーチと抱き合った。

「素直に、これだけハイレベルな中、今日は特に素晴らしい演技が続いていて。その中で優勝できたことうれしく思いますし、皆さんより劣る内容の演技だったかなと思うんですけど、ショート、フリー合わせて、自分の状態に合った演技ができたかなと思います。支えてくれたファンの皆さん、コーチ、皆さんに感謝していますし、来シーズンに向かって頑張りたいと思います。(レジェンドたちに並ぶ6度目の日本一に)本当に振り返ると、長い月日だなと痛感させられますし、いろんな状態で全日本に挑むことがあり、やっとここ数年、地に足がついて試合ができているなと実感しています。やはりこの全日本、他の大会よりも緊張する大会なんだなとあらためて感じます。練習からすれば満足しています。もっともっと練習から比べれば悔しかったと言えるような、素晴らしい大会にできるよう、自分の経験をぶつけたいと思います。ありがとうございました」

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2日前のSPを終えた際には、取材の流れでこう口にしていた。

「今大会もやっぱり特別な緊張感がある中、皆さん演技している。僕はもう(出場)何回目か忘れましたけれど、かなり出ているので、少しでも何か聞かれたら、アドバイスをしたいと思います。僕も皆さんの今の気持ちで、全日本をやってきた道も通ってきているので、僕のこの立場でしっかりとしたいと思います」

初出場は11年大会。新人賞を手にした12年前から1度も欠かすことなく、出場は13回を数える。さらに10年連続で2位以上。男子最年長の26歳は「僕は本当に好きなようにやらせてもらってる方」と前置きした上で「何かしらの正解があったからこそ、今、僕がこの立場でいられていると思う」と自己分析している。

長年頂点を競った羽生さんがプロへ転向し、22年北京五輪(オリンピック)銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)らに追われる立場となった。心がけるのは「壁」。今季は表現にこだわる中で、自らが納得する演技を続けるために、練習を怠らない。

「本当にもう年下の子たちばっかり。僕が年上として、参考になるような選手ではないですけれど、何か(後輩の)皆さんの、少しでも力になれたらいい」

今大会の優勝で3連覇が懸かる世界選手権(24年3月、カナダ・モントリオール)代表に内定した。日本はもちろん、次は世界の後輩から追われる立ち位置で海を渡る。【松本航】

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