26年ミラノ・コルティナ冬季五輪開幕まで、6日で丸1年となった。フィギュアスケートは22年北京大会で銀2、銅2と史上最多4個のメダルを獲得。ミラノでは前回同様の「金を含む複数メダル」の目標に「団体メダル」を加えた。日本スケート連盟は初めて開催国内に練習拠点を設置。ミラノから車で1時間弱のイタリア北部バレーゼに“前線基地”を構え、五輪史上最高成績を視野に入れる。
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昨夏、日本の中心選手が“前線基地”に集った。バレーゼでの強化合宿。女子で世界選手権3連覇中の坂本花織は「落ち着いた雰囲気の中にリンクがあり、すごくいい環境」とほほ笑んだ。鍵山優真は同選手権3度の銀メダルを誇り、ペアの三浦璃来、木原龍一組も23年に世界一。1年後の五輪を見据える有力選手と並行し、竹内洋輔強化部長(45)は「最大のパフォーマンスを発揮できるようにしたい。その1つが施設面です」と準備を進めてきた。
目標には前回銀の団体メダル獲得が加わった。団体は開幕日の26年2月6日から3日間。仮にある選手が6日の団体女子ショートプログラム(SP)を滑り、17日の個人女子SPに備えると中10日となる。期間中の公式練習割り当ては1日30分程度の場合があり、18年平昌は北九州、コロナ禍の大会運営で活用できなかった22年北京も大阪に拠点を準備した。だが、今回は欧州開催。前回大会直後からの独自の情報収集、14年ソチ五輪女子銅メダルでイタリア出身のカロリナ・コストナーさんからの助言など、複数のルートから挙がったのがバレーゼだった。
現地の自治体などとも交渉を進め、24年2月に契約締結。コンディショニングのために、ホテルもバスタブ付きの部屋を確保した。練習時間、移動、時差調整…。それらの課題解決が期待され、自身も02年ソルトレークシティー五輪代表の竹内強化部長は「ストレスの排除に対し、現状でできる最大限をしたかった」と関係者の思いを代弁した。五輪2大会ぶり金メダル、過去最高成績へ、挑戦は始まっている。【松本航】
◆ミラノ・コルティナ五輪代表選考 シングルは男女各3人が最大で、3月の世界選手権(米ボストン)で枠が決まる。慣例的には、年末の全日本選手権優勝者が最優先で代表入り。2人目は全日本2、3位やGPファイナル進出者、全日本終了時の五輪シーズン最高得点(ISU公認)の上位3人から選出。3人目はその他の条件を勘案して総合的に決める。全日本出場は必須だが、過去に世界選手権3位以内の実績を持ち、負傷などでやむなく参加できない場合の救済もある。
◆バレーゼ ロンバルディア州に位置する人口約8万人の県。ミラノから北西約55キロ。日本最北端の北海道・宗谷岬とほぼ同じ北緯45度。練習拠点のアチンクエ・アイスアリーナはガラス張りの仕様となっており、日中は陽が差し込む。施設の横には競馬場があり、街中を馬が走る様子も見られる。
◆ミラノ・コルティナ五輪 26年2月6日から22日まで開催され、イタリアでは1956年コルティナダンペッツォ大会、06年トリノ大会に続く3度目の冬季五輪。登山とスキーを融合した山岳スキーを新競技として採用し、8競技、116種目を実施。13の競技会場が4つのエリアに分かれ、広域で開催する。開会式はサッカーのACミランとインテル・ミラノの本拠地ジュゼッペ・メアッツァ競技場、閉会式はベローナ市街にある古代ローマ時代の円形闘技場で行う。
◆聖火リレー イタリア国内では12月6日にローマからスタート。コルティナダンペッツォには前回開催の開幕日から70年の節目の26年1月26日に到着。開幕日の2月6日に、ミラノの開会式会場に着く。
◆マスコット イタチ科のオコジョをモチーフにイタリアの学生が考案。白い五輪マスコットはコルティナダンペッツォにちなみ「ティナ」、茶色のパラのマスコットはミラノにちなみ「ミロ」。
◆エンブレム 最終候補2つから史上初めてオンライン投票で決定した。169カ国から約87万票が投じられた。開催年「26」を示したシンプルなデザイン。


