バスケットボール男子Bリーグの季節がやってきた。
10月3日の1部(B1)開幕を前に、2日に熱戦が始まる2部のB2。注目チームの1つが神戸ストークスだ。
25年春、中心地の三宮駅から徒歩20分圏内にジーライオンアリーナ神戸が開業。約1万人収容の会場に腰を据え、川辺泰三新ヘッドコーチ(43、HC)は「みんなで最高の景色を見たい」と熱い思いを込めた。
クラブは転換点を迎えた。
Bリーグは来季から昇降格を廃止。神戸もトップカテゴリー「Bプレミア」26チームの1つに名を連ねたが、昨季はB2西地区7チーム中6位と低迷した。川辺HCはFE名古屋を率い、B2優勝、B1勝率5割とステップを踏んできた。
根底には地元への愛がある。
現役時代は神戸市内の甲南高、甲南大を経て、Bリーグ誕生前の日本リーグ(JBL)三菱電機や、bjリーグ京都などに在籍。新設アリーナを含め、新天地の本気度を感じ「選手も三菱電機が最初、コーチも豊田通商さん(FE名古屋)で始めさせてもらった。名古屋にすごく思いがありました。その中で、もう1回チャレンジしたい。大好きな神戸に帰ってこられた。プレミアに行って、日本一になる。男の夢をかなえたい」と指導拠点を移した。
根付かせるのは、防御からの早い展開だ。
合言葉は「ストークスプライド」。
<1>ボールプレッシャー
<2>リバウンド、ルーズボールへのダイブ
<3>ポジションファイトと、コート上でのトーク
チーム作りの基本的な姿勢を落とし込み「誰のものでもないボールを取りにいけるか。最前線で取れば、取った瞬間に1対0(の数的優位)になる」と説く。
兵庫県出身で37歳の谷直樹、36歳の道原紀晃ら歴史を築いてきた面々に、八村阿蓮(25)や外国籍選手らを積極補強。NBAレイカーズで活躍する塁を兄に持つ新戦力にも、川辺HCは「ポテンシャルがある。リバウンドからプッシュ、スリーポイント…。どこまでチャレンジできるかを見る」と期待する。
新たな船出となる開幕のホーム福井戦(4、5日)は“盟友”が支える。
共同オーナーの川上聡一朗氏が社長を務める、光洋商事ホールディングスが協賛。同氏も甲南高、甲南大のバスケットボール部出身で、川辺HCの1学年後輩にあたる。日本学生選手権出場を飾った間柄だ。
スタンスは縁の下の力持ち。HCやフロントを少し離れて見守り「共同オーナーの1人として、本業でしっかりと稼ぐ。求められた時にサポートできる状態を作ることが仕事です」と強調する。
大規模アリーナを持ち、クラブ内の活気は増した。1万人でペンライトを振る、ジェット風船を飛ばす…。現場からの相談が多数あるといい「どう盛り上げるかを、みんなが考えている。コンテンツとしてはチャンス。これまでと違うことを、どんどんやらないといけない」と可能性は無限大だ。
同じ時代に同じ場所でバスケットボールに熱中した2人が、それぞれの立場で神戸を前へと推し進める。
川上氏はオーナーの目線から言い切った。
「初めて見に来られる方も、たくさんいらっしゃると思います。地域一丸。新生ストークスの躍動を、陰から見守りたいです」
川辺HCは勝負師として、チーム、地域、そして自らの夢を追う。
「B2優勝は大目標。その上で日本一のためのチーム作りは3年かかります。将来日本一になるために、どういう振る舞いができて、どんな人間、チームになっていくか。うちはボールマンファースト。全員が点を取りにいく、全員がリバウンドやルーズボールに努力する。諦めない。そこを見てもらいたいです」
凡事徹底。大海へ繰り出し、嵐でも指標をぶらさない集団になる。【松本航】


