【プラハ=藤塚大輔】今大会限りで現役を引退する坂本花織(25=シスメックス)が、2年ぶり4度目の優勝を飾った。

ショートプログラム(SP)首位で迎えたフリーで、自己ベストの158・97点。合計も22年世界選手権で記録した従来の自己最高を2・19点更新する238・28点をマークした。浅田真央の3度を上回り、全種目を通じて日本人単独最多となる4度目制覇で有終の美を飾った。

幼少期から坂本を指導してきた中野園子コーチ(73)は「よくやったなと思います。普通の人ならできないよなって。肝心な時は強い人なので。精神力が私とは違う」と手放しでたたえた。厳しい姿を貫いてきたが、演技後には10秒弱ハグ。得点を確認するキス・アンド・クライでは声を上げてはしゃぎ回る愛弟子を、「楽しんでくれればいい。はじめからうるさいことは言わないと決めていた」と温かい目で見つめていた。

「てっきり行かないものだと思っていた」という世界選手権。演技前には「私と(今季限りで業務を外れる現強化副部長の)小林さんのために滑ってね」と伝えたという。「自分のためになかなか滑れないけど、人のためには滑れる子なので」とほほえんだ。

今季限りで現役を引退する坂本は、コーチに転向する。「手のかかる、疲れるやつ(練習)は全部回す」と冗談を交えつつ、「まだまだ難しいですけど、やっぱりちゃんと1から最後まで育てられるコーチに育てていこうと思う」と今後も二人三脚で歩んでいく。

◆坂本花織(さかもと・かおり)2000年(平12)4月9日、神戸市生まれ。17年世界ジュニア選手権3位でシニア転向。1季目から18年平昌五輪代表2枠入りして6位。22年北京五輪で団体銀、個人銅メダル。世界選手権は22年から3連覇。全日本選手権は5連覇中で、18年を含めて優勝6度。ミラノ五輪の日本選手団旗手代行。159センチ。血液型B。