卓球世界選手権団体戦で銀メダルを獲得した男女日本代表が12日、開催地のロンドンから帰国し、都内で会見を開いた。女子は6大会連続の銀メダルを獲得したものの、目標としていた55年ぶりの金メダルはならず。決勝では中国に2-3で及ばず、絶対王者に7連覇を許した。
金メダルまでの距離感は近づいているのか、まだまだ遠いのか-。今大会で11戦10勝と大黒柱の働きを見せた世界ランク3位の張本美和(17=木下グループ)は「自分の中では中国と差が縮まっていると感じますが、チームで3点を取るという意味では足りない面もあると思っています」と吐露した。決勝では第1試合で世界ランク2位の王曼昱を3-2で破った一方、中国選手のメンタルや技術のブレのなさも痛感したという。「目をつぶっても打てそう」と独特の表現をしながら、中国の強さを説明する。
「やっぱり練習量は誰よりも多い国の選手たち。どれだけミスをしても、メンタルさえ保っていれば、誰にも負けない。(決勝の)1試合目は相手がメンタル的に弱くなっている面があると感じたので、私もそこを突けて良かったんですけど、技術の面はやっぱり一番強いなと思います。特にミスをしないところですかね。練習量を積んでいる分、自分が考えないところに球が来ても高い質で返ってくる。目をつぶっても打てそうなくらい練習量を積んでいると思います。ミスの少なさは、技術面で特に強いところだと感じます」
特に世界ランク1位の孫穎莎は別格だという。張本も王手をかけた第4試合でストレート負けを喫した。「(第2試合で)早田選手が試合をしている時にずっとベンチから見ていましたが『これはバケモノだな』と思いました。今からこの選手とやるのかと考えると、怖くてしょうがなくて。試合ではそういう気持ちはなかったですけど、やっぱりやってみると『すげぇ』って。得点されたボールは全てそんな感じ。細かい技術の工夫もすごい。サーブが同じ回転でも強めたり、弱めたり。自分がナイスボールを出しても対応される。『すごい』の一言しか思わないくらいです」。実力差は依然として大きい。
一方で4大会連続出場の早田ひな(25=日本生命)は、日本全体を見れば距離は縮まっていると分析する。「自分の実力としては全然追いついていない。むしろ引き離されているように感じる」としつつ、こう続けた。
「日本代表として考えると、いろいろな技術、メンタル面、チームワークの面で、全体的には差が縮まっているかなと思います。差が縮まっているからこそ、毎回、中国人選手の底力を感じています」
今大会は張本が新エースとして台頭し、27歳のカットマン橋本帆乃香も決勝で蒯曼を撃破。決勝のスコアこそ前回の24年大会と同じ2-3だったが、今回は新たな収穫もあったという。
「今回の張本選手は2年前と比べて、目に見て分かるくらい強くなっている。橋本選手もカットマンは世界で戦えないと言われていた中、それを覆して、唯一無二のスタイルを作り上げていっています。私と張本選手は王道のスタイルですが、選手それぞれが持ち味を生かしているのが、日本の卓球の良さかなと思います。中国の王道スタイルにハマらない選手は、日本に限らず、他の国でも勝ちかけていたり、勝っていたりして、通ずる面があるのかなと思います」
張本が感じたように、「バケモノ」の孫らとの差はとてつもなく大きい。一方で早田が指摘するように、1人ひとりの持ち味を発揮した大会でもあった。
日本女子は今、世代交代の波が押し寄せている。そんな中、今大会で見せた新たな戦いぶりは、中国撃破の糸口になるかもしれない。


