大相撲初場所で復活優勝を遂げた横綱朝青龍(28=高砂)が、30日に師匠の高砂親方(元大関朝潮)から厳重注意を受けることになった。日本相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が29日、朝青龍が初場所千秋楽で優勝を決めて土俵上でガッツポーズをしたことについて同親方を両国国技館に呼び出し、約10分にわたって厳しく指導。それを受け同親方は、モンゴルから再来日予定の朝青龍を高砂部屋(東京・墨田区)へ呼び、直接、注意を与えることにした。

 復活優勝の喜びもつかの間、朝青龍が「ガッツポーズ問題」で師匠から叱責(しっせき)されることになった。武蔵川理事長はこの日行われた理事会の前に高砂親方を理事長室へ呼び出し、口頭で約10分にわたって厳しく指導。これを受け、高砂親方は「(朝青龍は)力士、横綱としてもう少し厳しく自覚を持たせないといけない。私も師匠、親方として自覚していかなければいけない」とし、「30日の帰国後すぐに部屋へ呼び出して厳しく注意する」と明言した。

 朝青龍は初場所千秋楽の優勝決定戦で、本割で敗れた横綱白鵬を寄り切りで下し、史上4位となる23回目の優勝を飾った。進退のかかった場所でもあり、勝った瞬間に土俵上でガッツポーズ。26日の一夜明け会見には約80分も遅刻するなど、強さとともに「品格のなさ」まで元に戻ってしまった。

 26日の横綱審議委員会(横審)では複数の委員から苦言を呈され、武蔵川理事長も「次に何かあったら(師匠と朝青龍の2人を)理事会にかける」と言い切っていた。この日、同理事長は「(高砂親方には)次あったら大変なことになるとも伝えた。(朝青龍に)会いたいとか来てほしいとかいうのはない。ちゃんと師匠が(こういうことが)ないように注意することが大事」と話した。

 朝青龍は現在、モンゴルに帰国中で、30日午後3時ごろの便で成田空港に来日予定。来日後すぐに部屋へ呼び出されることになったが、これまでも繰り返し問題を起こしてきた経緯もあり、師匠からの厳重注意を素直に受け止められるのか。場所が終わっても、お騒がせ横綱から目が離せない。