<水泳世界選手権>◇最終日◇4日◇バルセロナ◇男子400メートル個人メドレー決勝

 瀬戸大也(19=JSS毛呂山)が、4分08秒69のタイムで、悲願の金メダルを獲得した。萩野公介(18=東洋大)は、4分10秒77で5位だった。

 金よりデッカイ輝きを放ったのは日本の「ダイヤ」だ!

 瀬戸が2位以下に0秒53差をつけるぶっちぎりVでフィニッシュだ。電光掲示板で1位を確認した瀬戸は、右手で水面を力いっぱいたたいた。思わずガッツポーズも飛び出した。

 「今まで泳いだ中で一番速い4個メでした。萩野くんの活躍を見て、自分も活躍したいなと思っていた。最高のパフォーマンスができた。うれしいです」

 周囲の予想は世界ランキング1位の萩野に注目が集まっていた。それでも、瀬戸の胸の内にはやれる自信があった。

 スタート直後から萩野に離されないように必死に食らいついた。有言実行。力をためて最後の50メートルで爆発させた。

 驚異的な追い込みは、最高のパフォーマンスにふさわしい泳ぎだった。前半飛ばした萩野の背中は、となりのコースの瀬戸に近づき、そしてジリジリ後方へ落ちていった。瀬戸の視界に人影はなかった。

 あっと驚く大逆転劇。瀬戸が「主役の座」を萩野から見事に奪い取った。

 表彰式ではセンターポールに掲げられた日の丸を笑顔で見守った。「君が代をきいて頑張ってきたかいがあったなと思った。この結果に満足せず、3年間頑張ってリオへ向けて頑張りたい」。瀬戸は、五輪金メダルへ向け、気持ちを新たにした。