<バレーボール:全日本高校選手権:東九州龍谷3-1古川学園>◇最終日◇男女決勝◇9日◇東京体育館

 常勝軍団が復活だ!

 女子決勝で東九州龍谷(大分)が、高校総体、国体に続く3冠を狙った古川学園(宮城)を破り、選抜大会から数えて「春高」は4連覇、全日本では3連覇を達成した。第1セットを落としたが、第2セットから持ち味の速いコンビバレーで圧倒した。男子は東亜学園(東京)が鎮西(熊本)を下し優勝した。

 やっぱり「春高」は東九州龍谷だった。苦難の1年を乗り越えつかんだ6度目の優勝に、相原昇監督は「超最高のバレーを目指してやってきた。それができて本当にうれしい」。うれし涙にむせぶ選手たちの手で3度、宙に舞った。

 第1セットは古川学園の高さにやられた。主将の村田しおり(3年)、鍋谷友理枝(2年)が徹底マークにあった。しかし、10月の国体決勝で敗れた後に改良したサイドからの速攻コンビバレーが威力を発揮。ネットに平行な横の速さだけでなく、バックアタックを含めた縦の速さも生かし、逆転に結び付けた。

 昨夏の高校総体準決勝で、鹿児島女子に敗退。08年大分国体決勝以来、初めて高校チームに敗れた。昨年から主将になった村田は「本当に負けたのか…」と頭が真っ白になった。「(次の日)目が覚めたら、(前の日の)朝だったらいいのに」と落ち込んだ。

 今大会1週間前には3年生だけで集まった。徹底的に話し合い「心の底から、すべてのものを吐き出した」(村田)。気持ちの強さで、チームがひと回り成長した。「最高でも金、最低でも金。本当に大切なのは日本一への気持ち!」。昨年から唱和してきた合言葉が、会場に高らかに響いた。【吉松忠弘】