やっぱり同い年は特別だったりする。記者は33歳。阪神で言えば新井、岩田、岡崎、高橋と同世代。来季はソフトバンクから柳瀬も加入する。たまに「昭和58年会」と称して酒席に集まるのだが、最近は年を感じる。カルビに箸をつけるスピードが圧倒的に落ち、「俺らもオッサンになったな~」とため息がこぼれたりもする。

 先日、岡崎がしみじみと語ってくれた。「中途半端なまま野球人生を終えて、お父さんの仕事を聞かれた時に自信を持って答えられないのは嫌だよな…」。グラウンドを離れれば、小学2年生の長男、6歳の長女、1歳半の次女をかわいがるパパ。記者はよく「家族のために」というフレーズを原稿で使いがちだけど、もちろんウソではない。

 休日は山までバーベキューに出掛けるのが楽しみ。岡崎自身は腕前が上がって、今では桜のチップを使って薫製に挑戦したりもするらしい。「でもな、やっぱり子供たちが作ってくれたカレーが一番おいしいよ」。超変革が続く阪神。若虎の躍動はもちろん輝きを放っているけれど、家族を背負う中堅、ベテラン組の覚悟もまた、味わい深い。【阪神担当=佐井陽介】