トキと金山の島が甲子園出場に沸いた。第83回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の出場校が28日に発表され、21世紀枠代表で佐渡(新潟)が春夏を通じて甲子園初出場を決めた。県ベスト8の壁も厚かった離島の野球部は、06年に深井浩司監督(48)の就任とともに力を付け08年夏、昨秋と県大会で準優勝。初めて北信越大会にも駒を進めた。週末になるとフェリーで片道2時間半をかけて本州に出向くなど地理的、経済的なハンディは否めないが、「佐渡から甲子園」を合言葉に地元も一体となった強化策が実った。校長室に午後3時1分、選出を伝える電話連絡が入ると、志願して島に赴いた深井監督も感激の面持ち。「佐渡の子供たちに甲子園の土を踏ませてあげることができる。そんなことが頭によぎりまして、熱いものが込み上げてきました」とうっすらと涙を浮かべた。