日本ハムが貧打返上のため、守護神マイケル中村投手(32)を交換トレード要員にすることが10月31日、分かった。最重要の補強ポイントが右の強打者で、他球団と交換要員で折り合いがつけば、放出する。06年に最優秀救援投手に輝くなど在籍4年で102セーブの不動の抑えに加え、同年新人王の3年目左腕・八木智哉投手(24)らも放出候補にリストアップしている。2年連続で低迷した打線のテコ入れへ、攻撃的補強に動く。

 ドラフトから一夜明け、日本ハムが大胆な補強プランを固めた。この日、千葉・鎌ケ谷で山田GMら編成担当のチーム統轄本部と他球団の戦力分析、調査を行うプロスカウトが約3時間30分のミーティング。マイケルらを放出要員としたトレードで、補強ポイントである右の強打者の獲得を最優先にする方針を確認した。

 今季は3位でリーグ3連覇を逃した。リーグ最低の打率&本塁打&得点の「ワースト3冠」となった攻撃部門の低迷が深刻だった。チーム打率は2割5分5厘。82本塁打、533得点は12球団でワースト。外国人選手、ドラフトでの補強では抜本的な改革にはならないと判断し、国内他球団の右のスラッガーへとターゲットを変えた。

 交換要員の筆頭はマイケル。プロ入り4年間で計102セーブ。44年ぶりの日本一を果たした06年にはリーグ新の39セーブを挙げ、タイトルも獲得した功労者の1人だ。今季も28セーブをマーク。不動の守護神だが、今ドラフトで即戦力投手を3人指名するなどある程度のメドがついた。梨田監督の了承も得た上で、方針を決定した。獲得候補として実績十分の巨人二岡、成長株の阪神桜井ら両リーグから複数人をリストアップしているとみられる。

 トレード成立ならば、セットアッパー武田久との勝利の方程式が崩れることになるが「変える必要があるなら、思い切ってチームを動かすしかない」と球団幹部。そんな強い決意は、左肩の故障でここ2年で5勝7敗と不振だが、06年に12勝を挙げた八木らも放出要員としていることでも明らか。同年新人王左腕も加え、タイトルホルダー2人をセットにした大型トレードになる可能性もある。