横浜大矢明彦監督(61)が成績不振を理由に事実上の解任となった。18日、横浜市内の球団で同監督と佐々木邦昭球団社長(62)が会談し、シーズン途中での「休養」が決定した。田代富雄2軍監督(54)が1軍監督代行を務めるが、来季監督は白紙の状況だ。昨季は借金46の最下位、今季も今日19日からの交流戦前に借金11と低迷した。佐々木社長は「交代せざる得なかった。次善の策」と説明した。また2軍監督代行は高木由一2軍チーフ兼打撃コーチ(60)が務める。

 事実上の電撃解任だった。午後2時すぎ、球団で緊急会見した佐々木社長が大矢監督の休養理由を低い声で説明した。「37試合終了して、ふがいない成績となった。残念ながら去年と近似値。何とかこの流れを断ち切らなければならず、今取れる最善ではないが次善の策として、指揮官を交代する決断をしました」。19日からの交流戦を前に、借金11の最下位に低迷した成績不振が原因であるとした。

 続投も解任も早かった。昨季は序盤から最下位に沈んだが、シーズン中の9月9日には続投が決定。だが今季も同様の結果が続き昨夜17日に決断。100試合以上残しているが「いかにスタートダッシュが大事であるか。頑張ろうと、監督とも十分話してきた。37試合での決断が速すぎるとは思わない」と語気を強めた。

 この日午前中、球団で大矢監督と佐々木社長が話し合い、「解任ではありませんが、指揮官の交代でお互いに意見が一致した」と説明した。しかし、佐々木社長は「(休養には)文字通り当分の間。いつまでというのはない。名目かもしれないが、監督の立場は残っている」。横浜スタジアムで取材に応じた大矢監督も「一般的な例とすれば、それ(休養)はないと思います。自分なりに解釈はしている」と解任を受け止めていた。

 バトンを託された田代監督代行は、緊張した面持ちだった。会見では「急なので、理髪店に行く暇もなかった。(注入するのは)攻めです、攻め。打線に元気がないので、いろいろ手は打とうと思っています」と話した。大矢監督は若手起用を進めていたが、田代監督代行は「(2軍調整中の)仁志はまだまだ元気かなと思う。(一線で)やってきた選手。若手にチャンスは与えるがポジションは奪い取るもの」と、実力主義を徹底する方針を示した。

 来季監督については白紙の状況だ。佐々木社長は田代監督代行の任期について「これからのシーズン中に、どうのこうのは考えていない。来季については全くの白紙。シーズンが終了して考えたい」と監督に昇格する確約はしなかった。オーナー企業のTBSは現時点では静観の姿勢だが、田代新政権で巻き返しができるかは大きなポイント。低迷が続けば、来季の新監督人事が一気に動きだす。

 [2009年5月19日8時49分

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